韓国産業通商資源省、軍事転用可能物質「違法摘発156件」

韓国の産業通商資源省は去年10月とことし5月、国会の要請で、兵器に転用可能な戦略物資が違法に輸出され、摘発された件数をまとめました。

その資料によりますと摘発件数は、ことし3月までの4年間に156件にのぼり、このうち「フッ化水素」は、UAE=アラブ首長国連邦やベトナムに輸出されていました。これについて産業通商資源省は「韓国の企業がUAEやベトナムなどに許可なく輸出した戦略物資の中に、日本で生産されたフッ化水素は含まれていない」というコメントを発表しました。

また韓国の専門家によりますと北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム(金正男)氏の殺害に使用された猛毒のVXやサリンの原材料となる物質も含まれているということです。

韓国政府関係者は、大半のケースは、中小企業が戦略物資だと知らずに手続きを怠ったものだとしているほか、資料をまとめた産業通商資源省も北朝鮮を含む国連制裁決議の対象国に違法に輸出された事例はないとし、戦略物資の輸出管理制度のもとで適切に摘発されていることを示すものだとしています。

ただ、日本政府は韓国向けの輸出規制を厳しくした背景に韓国側の貿易管理の体制が不十分であることをあげ、安全保障上の必要な措置だと説明しており、今後、議論になることも予想されます。

これは、安全保障上、危惧すべき内容だと思います。我が国が輸出した物質が、軍事的な目的に使われ、我が国の脅威となるのであれば、これを排除する必要があります。今後、議論を行い、軍事的に使われない効果的な方法を考えるべきだと思います。

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